早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
すると彼女は、なぜか急に大きなため息を吐き出しながらテーブルに突っ伏す。
「はぁ~、私も人の恋愛ばっか首つっこんでないで恋したい……。このままじゃ、ディープキスも初体験も杏華に先を越されてしまう」
「だから、ここ学校」
またしてもあけっぴろげに話すものだから、私は呆れつつ宥めた。
実はこの瑠莉お姉様、外見や話す内容からして恋愛経験が豊富そうだと多くの人が勘違いしているが、これまで誰とも付き合ったことがない。
モテるのは確かなのに、彼女のお眼鏡に敵う相手が現れないのだ。
瑠莉は脱力したまま、さめざめと泣くフリをしてぶつぶつとぼやく。
「私の王子様はいつ現れるのよ……。そこそこ顔がよくて、性格は俺様すぎずクールすぎず、大人で車持ってて甘やかしてくれる人なら誰でも歓迎なのに」
「あと二年待ってみようか」
就職すればその細かい条件に合う人がいるかも、と私は苦笑を交えて返した。
もう少し理想を低くすれば、瑠莉ほどの人ならすぐに彼氏ができるに違いないのだが、本人はその気がなさそうなので仕方ない。
もったいないなと思いつつ、今度は私が、瑠莉のバイト先にいる〝惜しい〟男性についての話を聞く側に回った。
「はぁ~、私も人の恋愛ばっか首つっこんでないで恋したい……。このままじゃ、ディープキスも初体験も杏華に先を越されてしまう」
「だから、ここ学校」
またしてもあけっぴろげに話すものだから、私は呆れつつ宥めた。
実はこの瑠莉お姉様、外見や話す内容からして恋愛経験が豊富そうだと多くの人が勘違いしているが、これまで誰とも付き合ったことがない。
モテるのは確かなのに、彼女のお眼鏡に敵う相手が現れないのだ。
瑠莉は脱力したまま、さめざめと泣くフリをしてぶつぶつとぼやく。
「私の王子様はいつ現れるのよ……。そこそこ顔がよくて、性格は俺様すぎずクールすぎず、大人で車持ってて甘やかしてくれる人なら誰でも歓迎なのに」
「あと二年待ってみようか」
就職すればその細かい条件に合う人がいるかも、と私は苦笑を交えて返した。
もう少し理想を低くすれば、瑠莉ほどの人ならすぐに彼氏ができるに違いないのだが、本人はその気がなさそうなので仕方ない。
もったいないなと思いつつ、今度は私が、瑠莉のバイト先にいる〝惜しい〟男性についての話を聞く側に回った。