早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
その日の晩、私はシャワーを浴びながら、昼間話していたことについてあれこれ考えていた。
最近あるイベントといえば、約二週間後の花火大会と、その六日後の結婚記念日だ。このどちらかで告白するのはどうだろう。
いや、結婚記念日にフラれたら悲しすぎるかな……。花火大会のほうがいいか。
実は、今年の花火大会は母の命日と同じ日なので、昼間はお墓参りをする予定だ。そこで、天国の母からも勇気をもらえるかもしれない。
都合がいいけれど、そう思えばしっかり気持ちを伝えられそうな気がするんだ。
今からすでにドキドキしつつバスルームから出ると、タオルで髪を拭きながらリビングダイニングに向かう。
すると、ソファに横になって瞳を閉じている旦那様がいた。テーブルには閉じたノートパソコンと眼鏡、飲みかけのミネラルウォーターが置かれている。
仕事をしていたら眠くなったのだろう。寝室に行くのすら面倒らしく、ここで寝ていることは珍しくない。
相変わらずだな、と苦笑するも、無防備な寝顔はいつ見ても愛おしい。
ブランケットを持ってきてふわりとかけ、傍らで彼の綺麗な顔を見つめる。