早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
軽くむせる彼は、一気に覚醒したのか、ギョッとした様子でこちらを凝視する。が、私は構わず話し続ける。


「健全な男の人だもん、どうしようもなく悶々としちゃうときとかあるよね。そういうのが続いたら、身体に悪いのかもって」

「おま……っ、キョウ! どこでそんなこと覚えてきたんだよ!?」

「それくらい、前から知ってるってば」


前のめりになって動揺しまくる旦那様に、私は至極冷静に返した。

この人、〝キョウはコウノトリが赤ちゃんを運んできてくれると思っているだろう〟と勘違いしていたりしないでしょうね……。

これでも人並みの知識だけは瑠莉と共有してきたんだよ、と心の中で呟き、尚くんの本心を探るように見つめ続ける。

彼はものすごく困った顔をしつつも、私の視線の圧に耐えられなくなったのか、遠慮がちに口を開く。


「我慢してないとは言えないが、それなりに解消してるから心配すんな」


目を合わさず苦笑交じりにそう返され、ピクリと反応する私。

『それなりに解消してる』? てことはまさか、瑠莉が言っていたみたいに風俗を利用していたり……!?
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