CANDY
俺は思わず落としてしまった煙草を拾うことも忘れ、彼女の言葉を頭の中で反芻した。
俺だって、儀式のようだと思っていたところなのに。
また笑いが込み上げ、しかしそれを押さえ込んだら頬が震えた。
「おうい児島、帰る前に話があるから、ちょっと来い」
いつの間にかレジ閉めを終えた店長が、事務所を顎で示した。
話があるという割りに、緊張感の無い呼びかけ。
全く、喰えない人だなこの人は。
俺は大人しく事務所に入る。
「お前さ、どうすんの、これから」
事務所に入るなり、いきなり真面目な表情の店長が言った。
これから。
続けるのか、辞めるのか。辞めるのならどうするか。
俺はしばらく店長と睨み合ったのち、口角を上げた。
「続けますよ」
僅かながら、店長は顔を綻ばせた。
俺だって、儀式のようだと思っていたところなのに。
また笑いが込み上げ、しかしそれを押さえ込んだら頬が震えた。
「おうい児島、帰る前に話があるから、ちょっと来い」
いつの間にかレジ閉めを終えた店長が、事務所を顎で示した。
話があるという割りに、緊張感の無い呼びかけ。
全く、喰えない人だなこの人は。
俺は大人しく事務所に入る。
「お前さ、どうすんの、これから」
事務所に入るなり、いきなり真面目な表情の店長が言った。
これから。
続けるのか、辞めるのか。辞めるのならどうするか。
俺はしばらく店長と睨み合ったのち、口角を上げた。
「続けますよ」
僅かながら、店長は顔を綻ばせた。