1億のキス 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
「俺は来週からイタリアに留学する。
モデルのプロ入りの話をもらった。
トップモデルになる事が俺の夢なんだ。」
「おめでとう、枢。」
百合は涙をためながら笑顔で喜んでくれる。
「よかったね。
枢の夢が近づくんだね。」
「百合。
……一緒に行かないか?」
「…………。」
「俺は百合がいたから頑張ろうって思えた。
百合のすげー嬉しい言葉がいつも支えになってた。
百合に喜んでほしくて、誉めて欲しくて、頑張れた。
こうやって認めてもらえたのだって大きく百合の存在があったからだ。
一緒に来てほしい……。」
百合が優しい瞳で枢を見て首を左右に振る。
「……違うよ?
私がいなくても枢なら大丈夫!
自分を信じて。
きっと枢なら夢を叶えられるよ。
私はここからちゃんと見てるから。
……ねっ?」
溢れる涙が堪えきれずに笑う百合の頬を伝う。