1億のキス 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】



『慰め』なんて言って、常連客がはしゃぎ、枢にたくさんのお酒をプレゼントする。


「もぅ、勘弁して下さい。
仕事できなくなるでしょ?」


そう言って、プレゼントにストップをかけた時には閉店時間の30分前だった。


「枢、明日も慰めに来てあげるねっ。」


心地いい程に酔っている笑顔のお客様に枢も優しい笑顔を返す。


「ありがとうございます。
お待ちしてます。
お気をつけて。」

「はーい。」


手を振って満遍の笑みを枢に見せた。




片付けの準備をしようとカウンターを出て、テーブルの上のコップを集めに行く。



1人で窓から外の景色をずっと見ている女性客に枢の視線が止まった。


テーブルの上には半分以上残ったままのカクテルと鳴らない携帯。


再度、視線を女性客の顔に移すと寂しんでいるように見えた。





男でも待ってるのか?











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