愛を求めて
story 1





·····寒い。

まだ眠たい身体を起こしてふと時計を見れば朝の4時。

辺りは真っ暗で人気もない。

1月に入ったこの頃、この時間はとても寒い。
最近何度も寒さで目を覚ましてしまう。


私は岸本 心潤。4月から高校三年生になります。

心が潤うって書いてみうって読むけど
よくこんな名前を付けてくれたもんだ。

私の心なんてちっとも潤ってないのに。


そんなことを考えながらベッドから
降りてキッチンに行く。

こないだ買ったキャラメルラテがあるはず····。

食器棚の収納からキャラメルラテの
スティックを取り出してお湯を沸かす。


この暗さといい、寒さといい、静けさといい。

お湯が沸騰する音だけが響くこの家は

私の孤独を悲しいぐらいに実感させる。

< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop