熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
帰国した後で嘘を認めた三島の悪びれない態度も、そういった複雑な事情が絡んでいたからだったんだな……。
ようやく納得のいった俺は苦笑をこぼし、今さら気にするなというふうに、三島の肩にポンと手を置く。
「でも、よかったじゃないか。最近の優良はモデルとしての再起を掛けて、ひとつひとつの仕事に真正面から取り組んでいるだろ」
「はい。やっと自分をきちんと見つめてくれるようになったみたいで……安心しました。これからも陰ながら見守っていきます」
安堵の笑みを浮かべて言う三島だが、陰ながらだなんて、そんな消極的でいいのかと他人事ながら思ってしまい、つい口をはさんだ。
「もう一度、優良に思いを伝えたらどうなんだ?」
「え?」
キョトンとする三島に、俺は至極単純な提案をした。
「さっきから聞いていると、優良に八つ当たりされても、浮気されても、他の男と結婚すると言われても……きみの想いにブレはない。それに、この先も見守るつもりなら、いっそ近くにいて支えた方がいいんじゃないのか?」