熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
感謝の念と、今まで以上に強く確かな愛情が心の奥底から湧き上がり、俺は詩織の柔らかな体をぎゅっと抱きすくめた。
鼻に触れた髪から懐かしい彼女の香りがして、胸が切なく締め付けられるのと同時に、不覚にも涙が出そうになる。
ああ……俺はこれほどまでに、きみを恋しがっていたのか。
そっと体を離して、詩織の頬に手を添え少しだけ上を向かせると、潤んだ瞳と視線が絡み合い、たまらず唇を合わせた。
一度では飽き足らず、二度、三度と角度を変えて何度も彼女の唇を食むように味わい、二人きりのギャラリーに、俺たちのキスの音が繰り返し響いた。
そろそろ止めようかと思って閉じていたまぶたをうっすら開けると、詩織の蕩けそうな顔が目に入り、また口づけたくなって、さらに彼女をとろかして……。
俺たちはギャラリーの閉館時刻の放送が流れるまで、唇が腫れてしまうくらいにキスを堪能し、再会の喜びを分かち合うのだった。