熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
明け方に生まれてきた私たちの息子。名前は梗一とふたりで考え、自分の手でたくさんのものを創造していけるよう、創也(そうや)と名付けた。
創也はとてもすくすくと育ち、三カ月にもなれば、私や梗一の顔をちゃんと認識して可愛い笑顔を見せてくれるようになった。
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「創也、今日はちょっと遠くの公園に行ってみよう」
夏の暑さもようやく和らいできた九月のある休日。パパ姿もなかなか板についてきた梗一が、大きなバッグにオムツやミルクを準備しながらベビーベッドの創也にそう話しかける。
「遠くって?」
キッチンで朝食の後片付けをしていた私が尋ねると、梗一がスマホで公園の情報を見せてくれた。
「多摩方面。公園の中に森林や川があって、空気がいいそうだ」
「いいわね。私も楽しみ」
ついこないだまでは暑かったし、まだ創也も小さいのでどうしても家にこもりきりだった日々が続いていたため、ちょっとした遠出でもうれしくなった。
創也のお世話セット、そしてベビーカーを車に積んだら、梗一の運転でいざ出発だ。