熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
「お砂糖いる? いるなら、どこにあるのか探すところからなんだけど……」
キッチンの方を向いたまま尋ねる詩織の背後に近づいて、そのまま後ろからぎゅっと抱きしめた。そして、彼女の耳もとで囁く。
「……いらないよ。甘いものならここにあるから」
おまけに軽く耳にキスをすると、詩織は肩を小さく震わせ、絶対動揺しているくせに、平気なふりをして言う。
「そ、そう。ブラックでいいなら楽で助かるわ」
「……でも先に甘いものが欲しい」
意味深に告げ、俺は手を伸ばしてコンロの火を止めた。
「え?」
「悪いけど、もう我慢の限界だ」
言うが早いか、俺は彼女の身につけているノースリーブの胸元に手を入れ、やわらかな膨らみを直接手のひらで包んだ。
「ちょっ、梗一……っ」
かすかに上擦った甘い声で異議を唱えつつ、俺の腕の中で身をよじる詩織。
その反応は明らかに感じている女性のそれで、そんな自分が許せないようにぎゅっと目を閉じている彼女が、可愛くてたまらなかった。