熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
湿度の増した暑い部屋で、俺たちは互いの肌色を重ね、混ぜ合わせ、やがてひとつに溶け合った。詩織は初体験であるはずだが、特に苦痛を訴えることはなかった。
きっと、心も体も俺を愛してくれたからに違いない。
俺は勝手にそう自惚れた。
そして、際限なく募っていく愛情と、そこから生まれる欲望のままに詩織を抱き、彼女がとうとう達しそうになった寸前、真っ赤に染まった耳のそばでささやいた。
「愛してる」
その言葉がとどめの愛撫となったかのように、詩織はぎゅっと俺の背中にしがみつき、今までで一番妖艶な声で喘いだ。
その反応に俺自身も煽られてしまい、自分ではまだ余裕があると思っていたはずが、彼女とほとんど同時に限界を迎えた。
詩織と一つになれた幸福と解放感と、これまで以上に増す彼女への愛しさを胸に感じながら、俺は脱力した体を彼女の隣に横たえる。
ちらりと横を向くと、まだ呼吸が荒いままの詩織は甘い余韻に浸るようにぼうっとしていた。