熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
「なぁ、そこは〝助けてくれた梗一に〟じゃないのか?」
「ふふ、だって可愛かったんだもの。……それに比べて、ベッドの上のあなたはすっかり大人の男性で、セクシーで、意地悪で。もう降参、って何度も思ったわ」
話しながら、詩織が色っぽい上目づかいで俺を見つめる。
「それを言うなら詩織もだよ。想像していた以上に綺麗で艶めかしくて……もっとじっくり愛すつもりだったのに、もたなかった。女性に翻弄されるなんて、初めての経験だよ」
「……じゃあ私たち、初めて同士だったのね」
悪戯っぽく笑った詩織に、俺は頷いた。
「ああ。これからふたりで、たくさんの初めてを重ねよう。……詩織。俺の恋人になってくれるな?」
「はい。喜んで」
躊躇することなく返事をしてくれた彼女に、感謝の意味を込めてキスをする。
一度じゃ足りずに、二度、三度と繰り返すうち、また彼女が欲しくなって、俺たちは抱き合った。
窓の外はスコールも止みすっかり晴れていたが、俺たちはそれから一歩も外に出ることなく、互いの体を知り合うことに時間を費やしたのだった。