熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
日に日に部活の時間が楽しみになり、ある日とうとう、絵を描くよりも彼の顔が見たいと望んでいる自分に気が付いた。
私、先生に恋をしている――。
そう自覚してしまうと、私は彼の前で今までのような気軽な態度が取れなくなった。
勘のいい先生はすぐに私の変化を察して、思うように絵筆が動かせず途方に暮れていた私にそっと尋ねた。
『詩織。……俺に何か、言いたいことがあるんじゃないのか?』
そして、促されるままに、私は彼に告白して……振られたのだった。
でも、先生の言うとおりに行動したら本当にうまくいったし、告白の後も彼はずっと私を応援してくれていた。
だから、将来画家としてもっと確かな成功を収めることができたなら、もう一度彼に気持ちをを伝えたい……そう思っていたのだけれど。
卒業を控えたある日の放課後、いつものように美術室を訪れたら、先生が見知らぬ若い男性と話をしていた。
なんとなく教室に入るのを躊躇って、私はそのまま彼らの話を盗み聞きしてしまう。