ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
翌朝までぐっすり眠ったリラは、目が覚めるとご機嫌だった。

「ママおはよう、レオンもおはよう」

元気よく挨拶をするととことこと歩いて居間の椅子にちょこんと座った。

「リラおはよう。今日はご機嫌だな」

レオンが返事をすると、リラはうんと大きく頷く。

「ママがげんきだから。レオンもいるから」

レオンは一瞬不思議そうな顔をしたけれど、直ぐに察したようだった。

「そうか。リラはママが元気だと嬉しいんだな」

「うん、ママはニコニコしてないとダメなの」

「そうだな。これからも笑って貰えるように頑張ろうな」

「うん。じゃあさくせんたてよー」

レオンとリラは顔を突き合わせて何か話している。

時々リラが声を立てて笑い。レオンも嬉しそうに相手をしている。

夢に見ていた光景が目の前にあり、私は感極まって泣いてしまった。

するとレオンとリラがびっくりしたように目を丸くして、慌てた様子で駆け寄って来た。

「イリスどうした?」

「ママ、なんで?」

足元でぴょんぴょん飛び跳ねるリラを抱っこして二人に言う。

「何でもない。ただ幸せで」

不思議そうなふたりとの時間が大切でこれから先もずっとこうしていられたらいいと心から願った。

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