ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
ラヴァンディエ帝国は昔から皇帝の位を欲して皇子間の争いが絶えなかった。長子継承に拘らず能力のある皇子が後を継ぐことをよしとして来たからだ。
野心のある皇子たちは自分の能力を皇帝や家臣に主張し、次期皇帝の指名を受ける為に策略を巡らせる。限度を超えなければ多少乱暴な手も許される。
だけど後継者を決定したあとの油断しているときに、突然攻めるような卑怯な真似をする皇子は今までいなかった。決着がついた後は皆新皇帝と国の発展の為に与えられた役割を果たしていたから。
第七皇子の行動は異常としか思えない。
「このような事態に皆驚愕している。誰も予想していなかったことだからな。第七王子の行動は早く、帝都のソフィア様から報が届いたのと同時に第七皇子の配下の帝国兵が迫って来たのだ。彼らにレオン様が捕まれば非常に危険な状況になるだろう。その為急ぎ逃げるしかなかったのだ」
「危険な状況……」
レオンが傷つき倒れる姿を想像してしまい背筋がぞくりと寒くなる。
と同時に先ほど見た不審な蛍火が、第七皇子配下の帝国兵一団の持つ松明の灯りなのだと気が付いた。
ゆらゆらと揺れる光は、段々と大きくなって見えた。
レオンを捕らえるためにこの館に近付いて来ているのだ。
野心のある皇子たちは自分の能力を皇帝や家臣に主張し、次期皇帝の指名を受ける為に策略を巡らせる。限度を超えなければ多少乱暴な手も許される。
だけど後継者を決定したあとの油断しているときに、突然攻めるような卑怯な真似をする皇子は今までいなかった。決着がついた後は皆新皇帝と国の発展の為に与えられた役割を果たしていたから。
第七皇子の行動は異常としか思えない。
「このような事態に皆驚愕している。誰も予想していなかったことだからな。第七王子の行動は早く、帝都のソフィア様から報が届いたのと同時に第七皇子の配下の帝国兵が迫って来たのだ。彼らにレオン様が捕まれば非常に危険な状況になるだろう。その為急ぎ逃げるしかなかったのだ」
「危険な状況……」
レオンが傷つき倒れる姿を想像してしまい背筋がぞくりと寒くなる。
と同時に先ほど見た不審な蛍火が、第七皇子配下の帝国兵一団の持つ松明の灯りなのだと気が付いた。
ゆらゆらと揺れる光は、段々と大きくなって見えた。
レオンを捕らえるためにこの館に近付いて来ているのだ。