ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「レオン様はここに向かっている。ルメールからは馬で七日程の距離だ」
「なぜこの町に? 帝都に近付くなんて……」
危険な所に自ら近づくなんて考えられない。不安がる私とは違い、お父様は冷静だった。
「ここにレオン様の味方がいる」
「味方?」
「ああ、ガディオ伯爵家の一族だ」
ガディオ伯爵はレオンの母君ソフィア様のご実家だ。
爵位は高くないが古くからの武門の家柄で、屈強な騎士を抱えていると聞いている。
確かにあの家なら敵の兵士からレオンを守れるかもしれない。
少しほっとしていると、お父様が思いがけないことを言い出した。
「先日次期皇帝が決定したことを受け、レオン様は臣籍に降りガディオ伯爵家を継ぐために動いていた」
「レオンがガディオ伯爵に?」
「そうだ。帝都のソフィア様と連携して動き、皇帝陛下からのお許しも内々に降りていた。来年には帝都で正式にガディオ家の当主の位に就くはずだった」
そんな話、私は何も聞いていなかった。ガディオ家を継ぐなら帝都に住まいを移すことになる。レオンがこの村を出て行こうとしていたなんて……。
「なぜこの町に? 帝都に近付くなんて……」
危険な所に自ら近づくなんて考えられない。不安がる私とは違い、お父様は冷静だった。
「ここにレオン様の味方がいる」
「味方?」
「ああ、ガディオ伯爵家の一族だ」
ガディオ伯爵はレオンの母君ソフィア様のご実家だ。
爵位は高くないが古くからの武門の家柄で、屈強な騎士を抱えていると聞いている。
確かにあの家なら敵の兵士からレオンを守れるかもしれない。
少しほっとしていると、お父様が思いがけないことを言い出した。
「先日次期皇帝が決定したことを受け、レオン様は臣籍に降りガディオ伯爵家を継ぐために動いていた」
「レオンがガディオ伯爵に?」
「そうだ。帝都のソフィア様と連携して動き、皇帝陛下からのお許しも内々に降りていた。来年には帝都で正式にガディオ家の当主の位に就くはずだった」
そんな話、私は何も聞いていなかった。ガディオ家を継ぐなら帝都に住まいを移すことになる。レオンがこの村を出て行こうとしていたなんて……。