ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「今日もリラはご機嫌だ。ああしていると病はなにかの間違いではないかって気がしてくるな」

「はい、症状が出ていないときは本当に元気なんです」

そのため、家でじっとしているのが苦痛なようだ。

私の仕事中、リラは叔母に預かって貰っていたのだけれど、日中は近所の子達と外で遊び回っていたそうだ。

「叔母の家でも活動的に過ごしていたから、思い切り遊べない今の状況に不満が溜まっているみたいです」

「そうか。じゃあリラの体調が落ち着いたら湖にでも連れていてあげようか。たまには遠出したいだろ?」

セルジュの言う湖はここから馬車で一時間程かかる有名な避暑地だ。休暇を楽しむ為の施設も豊富で、リラのような幼い子も楽しめると聞いている。

けれど私はやんわりと断った。

< 30 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop