ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「……ありがとうございます。レオン様の気持ちは本当に嬉しいです……でも、もう約束のことは気にしないでください。私はここで幸せに暮らしています、大丈夫ですから」

彼は公爵令嬢と婚約した後も私を見捨てられなかったのだろう。

昔からそうだった。親しくなるまで時間はかかったけれど、心を開いてからのレオンはとても優しく思いやりがあった。

だから私を探してくれた。

それでもう十分だと思った。

こうやって再会できたのだ。改めて今までの感謝を伝え別れの挨拶をすれば、心の奥に残り続けている未練も消えるかもしれない。


けれどレオンは声を硬くした。

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