ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
レオンは私と二歳しか年が違わないのに、随分と大人びた子供だった。

我儘は言わず、大人の言いつけをしっかりと守る。勉強にも真面目に取り組み成績優秀で、遊んでばかりの私とは大違いだった。

彼は勉強をおろそかにして両親や教師に怒られて落ち込んでいる私に呆れながらも慰めてくれた。ときどき課題を一緒に解いてくれることもあった。

『これが分からない? なんでだ? 先生の話をちゃんと聞いていなかったのか?』

レオンは基礎の問題もろくに解けない私に驚愕する。

『聞いてたけど、一度じゃ分からないんだもの』

開き直って答えると、レオンは呆れながらもペンを取り解説を初めてくれる。

『仕方ないな。俺が教えるから今度こそ覚えろよ?』

『うん、ありがとうレオン様!』

私達は勉強も食事も遊びもいつも一緒で、いつしかそれが当たり前に思うようになっていた。


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