ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「私もレオン様の側に居たいと願っていました……でも今はもうそんなこと言えません。だってレオン様は皇帝です。公爵家の姫と婚約したとも聞いています……私の居場所はもうレオン様の側にはありません」
言葉にすると悲しくなる。自分の卑下している訳ではなく事実だから余計に。。
けれどレオンが驚いた様子で言う。
「待ってくれ、イリスは誤解している。公爵家の姫と婚約などしていない。俺が妻に迎えたいのは昔も今もイリスだけだ」
私はそれ以上に狼狽していた。
「え?……でもソフィア様の手紙にはそう書かれていましたし、ラヴァンディエ皇帝の婚約についてはこの町にも噂が届く程有名な話です」
「確かに母は姫との結婚を望んでいた。でも俺は受け入れなかった。流れている噂については完全な誤りだ」
「誤り?……でもどうして」
私は酷く混乱した。
長い間、見たこともない公爵家の姫君の姿を思い浮かべ、嫉妬と悲しさ感じていたのだ。
でもそれは誤解だった。今レオンの隣に立つ女性はいない。
その事実が嬉しくないはずがない。
だからといって私がレオンの隣に立つことは出来ないと分かっているから手放しで喜べない。
それに四年前、私はひとりでリラを育てると決心して、産まれ育ったルメールを出た。
レオンに再会して心が揺れたからといって、その決意を覆す訳にはいかないのだ。
言葉にすると悲しくなる。自分の卑下している訳ではなく事実だから余計に。。
けれどレオンが驚いた様子で言う。
「待ってくれ、イリスは誤解している。公爵家の姫と婚約などしていない。俺が妻に迎えたいのは昔も今もイリスだけだ」
私はそれ以上に狼狽していた。
「え?……でもソフィア様の手紙にはそう書かれていましたし、ラヴァンディエ皇帝の婚約についてはこの町にも噂が届く程有名な話です」
「確かに母は姫との結婚を望んでいた。でも俺は受け入れなかった。流れている噂については完全な誤りだ」
「誤り?……でもどうして」
私は酷く混乱した。
長い間、見たこともない公爵家の姫君の姿を思い浮かべ、嫉妬と悲しさ感じていたのだ。
でもそれは誤解だった。今レオンの隣に立つ女性はいない。
その事実が嬉しくないはずがない。
だからといって私がレオンの隣に立つことは出来ないと分かっているから手放しで喜べない。
それに四年前、私はひとりでリラを育てると決心して、産まれ育ったルメールを出た。
レオンに再会して心が揺れたからといって、その決意を覆す訳にはいかないのだ。