ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「俺を信じてくれ。昔も今もイリスだけを想っている」
「レオン様の言うことを信じます。公爵家の姫との婚約については事実ではないのですね」
彼の眼差しが柔らかくなる。
「ラヴァンディエに帰ろう。王宮にイリスを迎える為の準備を進めているんだ。きっと気に入ると思う」
私は胸の痛みを感じながら首を横に振った。
「……ごめんなさい、私はラヴァンディエには行きません。ここで生きて行くと決めたのです」
私の答えを聞いたレオンの表情に動揺が走る。驚きはたちまち苛立ちに変わり、レオンは声を荒げた。
「なぜだ? 誤解は解けたはずだろう?」
「はい」
「理由は?」
「それは……」
問い詰められて口ごもってしまった。
ラヴァンディエに行けない最も大きな理由はリラのこと。
けれど、レオンには子供がいるなんて言えない。
レオンがリラを見たら、きっと自分の子供だと気付いてしまう。
年齢だけでなく彼女のレオン譲りの銀髪は血の繋がりを意識させるものだから。
どうしようかと悩んでいると、ノックの音が響き、直後扉が開いた
「レオン様の言うことを信じます。公爵家の姫との婚約については事実ではないのですね」
彼の眼差しが柔らかくなる。
「ラヴァンディエに帰ろう。王宮にイリスを迎える為の準備を進めているんだ。きっと気に入ると思う」
私は胸の痛みを感じながら首を横に振った。
「……ごめんなさい、私はラヴァンディエには行きません。ここで生きて行くと決めたのです」
私の答えを聞いたレオンの表情に動揺が走る。驚きはたちまち苛立ちに変わり、レオンは声を荒げた。
「なぜだ? 誤解は解けたはずだろう?」
「はい」
「理由は?」
「それは……」
問い詰められて口ごもってしまった。
ラヴァンディエに行けない最も大きな理由はリラのこと。
けれど、レオンには子供がいるなんて言えない。
レオンがリラを見たら、きっと自分の子供だと気付いてしまう。
年齢だけでなく彼女のレオン譲りの銀髪は血の繋がりを意識させるものだから。
どうしようかと悩んでいると、ノックの音が響き、直後扉が開いた