ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
その気持ちは出会った日から十年が過ぎても、少しも色あせることはなかった。

レオンを男性として意識し始め恋心を自覚してからも、私はいつでもレオンの隣に居て、彼もそんな私を変わらずに受け入れてくれた。

そして、初めてふたりで過ごしたある日の夜。
私達はぎこちなくも、お互いの温もりを求めるように抱き合った。

『イリス、愛しているよ。これからもずっと一緒だ。イリスを大切に守って行くと誓うよ』
『レオン……私も大好き。初めて会ったときからずっとレオンだけを見ていたの』

微笑む私の顔をレオンの手がそっと触れていく。

少年らしさが消えた彼の身体は逞しく、手は大きい。

ときめきと愛しさを感じながらレオンの背中に手を回した。

『レオン大好きよ。私をお嫁さんにして?』

彼になら何をされても大丈夫だと思う。

それからは夢中のとき。心の中はレオンを想う気持ちでいっぱいになり、他には何も考えられなくなる。

何度もキスを交わし、お互いを抱きしめ合い、夜が明けるまで幸せなときふたりで過ごした。


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