ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「リラの住む国はティオール王国だって話したのを覚えている?」

「うん、おぼえてるよ」

「ラヴァンディエはティオール王国の隣にある大きな国よ。急なんだけどね、そのラヴァンディエに行く事になったの」

リラはじっと私の言葉を聞いている。

「リラもいくの?」

「そうよ。ラヴァンディエの病院に行ってリラを診てもらうの」

「リラ、びょーきじゃないよ?」

リラはどこか不安そうに、小さな手をぎゅっと握る。

「病気がないか検査して貰うの、ママも一緒だから心配しなくて大丈夫だからね」

「うん……レオンもいっしょ?」

リラがレオンを見上げると、彼はリラをしっかりと抱きなおした。

「ああ、俺もリラと一緒に行くからなにも怖い事はない」

「そっか、ならいいよ」

リラはほっとしたように微笑んだ。
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