ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
第四章 都市カサンドラ
翌日。
レオンの手配してくれた馬車に乗り、私達はラヴァンディエ帝国の都市カサンドラに向けて出発した。
身分を隠した旅なので一見皇帝のものとは思えない地味で小さな馬車だけれど、中は見かけより広々しており座席のクッションも座り心地の良いものだった。
「わー! リラばしゃ、はじめて」
リラははしゃいで馬車の窓の外に目を向ける。
あまりに身を乗り出すので、開けた窓から落ちないかハラハラしていると、私の正面に座るレオンの手が伸びて来てリラを膝の上に軽々と乗せた。
「こうすればよく見えるだろう?」
「うん!」
リラは満足そうに言い、キラキラと目を輝かせ流れて行く景色を眺めている。
けれどずっとリラを乗せたままではレオンが疲れてしまだろう。
「レオン様、代わります」
そう言い腕を差し出すと、レオンが無言ですっと目を細めたので、私は慌てて言いなおした。
「レオン、リラは私が」
すると今度は言葉が返って来た。
「大丈夫だ。イリスはゆっくりしていろ」
「……はい」
レオンの手配してくれた馬車に乗り、私達はラヴァンディエ帝国の都市カサンドラに向けて出発した。
身分を隠した旅なので一見皇帝のものとは思えない地味で小さな馬車だけれど、中は見かけより広々しており座席のクッションも座り心地の良いものだった。
「わー! リラばしゃ、はじめて」
リラははしゃいで馬車の窓の外に目を向ける。
あまりに身を乗り出すので、開けた窓から落ちないかハラハラしていると、私の正面に座るレオンの手が伸びて来てリラを膝の上に軽々と乗せた。
「こうすればよく見えるだろう?」
「うん!」
リラは満足そうに言い、キラキラと目を輝かせ流れて行く景色を眺めている。
けれどずっとリラを乗せたままではレオンが疲れてしまだろう。
「レオン様、代わります」
そう言い腕を差し出すと、レオンが無言ですっと目を細めたので、私は慌てて言いなおした。
「レオン、リラは私が」
すると今度は言葉が返って来た。
「大丈夫だ。イリスはゆっくりしていろ」
「……はい」