ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています

レオンの言った通り道中は何の問題もなく、無事にラヴァンディエ帝国に入ることが出来た。

病院のある都市カサンドラまでも順調に進み、住み慣れた家を出て五日後にはターナー先生の紹介してくれた病院に到着した。

セントカトレア医院と言う名の病院は、ターナー先生の診療所の数十倍はありそうな大きな病院で、多くの患者と医師が行きかう姿が車寄せからも眺めることが出来た。

レオンが事前に早馬を送ってくれていた為、病院長とターナー先生の後輩医師ミゲル先生が車寄せまで来て出迎えてくれた。

院長先生は六十歳くらいの白髪の男性。ふくよかな身体に優しそうな顔立をしている。

ミゲル先生は三十歳を幾つか超えたくらい。茶色の髪に長身の医師と言うより兵士のようなしっかりした身体つきのお医者さまだった。