ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
夢の世界から現実へと一気に戻る。

レオンも私同様声に気付いたのか素早く覆いかぶさっていた身体を起こし、次いで私の身体も引き上げてくれた。

慌ててリラの眠る寝室に向かうと、広いベッドの上で小さく丸くなったリラが泣いていた。

「リラ、どうしたの?」

ベッドに駆け寄ると、リラは弾かれたように起き上がり私にしがみついて来た。

「ママ!」

そのまま私の胸に顔を埋め泣きじゃくる。

「どうしたの? どこか痛いの?」

「だって……ママがいないから……どこいってたの?」

リラが泣きじゃくりながら、小さな身体に力を込めてしがみついて来る。

「隣の部屋に居たんだよ。だからすぐにリラの所に来たでしょう? もう怖くないからね」

リラの髪を撫でながら優しく言い聞かせる。

「ママ……」

「大丈夫だからね」

しばらく抱っこしていると、泣きつかれたのかリラはことりと眠りに落ちた。

ベッドに寝かせ布団をかける。

呼吸が落ち着いているのを確認していると、レオンがやって来て囁いた。

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