ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「少しは状況を理解して頂けたようですね。今申し上げた通り、姫君は楽観視できない状況下にいるのです。あなたにとって不満な選択だったとしてもレオン様の庇護下に入るしか今後生き延びる術はないでしょう。なぜならあなたには姫君を守る力がないからです」

カイルの言葉が鋭く胸を突き刺した。

何も言えなくなった私を置いて、カイルは手紙の入った箱を手に部屋を出て行った。

カイルから現実を突きつけられた日から、私の気持ちは沈んだままだった。

レオンのところに行くと前向きに決意したはずだったけれど、その気持ちもすっかり萎んでしまった。

カイルの言う通り、リラの身が安全ではないのならレオンの庇護下に入るしかない。

皇帝の強い力で守って貰っても危険が完全に無くなることは無いけれど、それでも私とふたりでティオール王国で暮らすより心配がないのだろう。

けれどとても悲しい気持ちになる。

今まで必死にリラを育てて来たつもりだったけれど、結局私にはリラを守る力がないのだと思い知ったから。

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