まさお
2分も歩けば、大きなコンクリートの溜池と自分の家の勝手口が見える。
横目で魚たちに異常がないか確認しつつ、
(そういえば…)
まさおは昨日のカステラを思い出した。
まだ一切れ残っていたはずだ。
甘いものは嫌いではない。お腹はいっぱいだが、カステラ一切れは入るだろう。

履物を脱ぎ散らかして、そのまま台所へ入ると蝿帳を上げる。

「ん?」

< 4 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop