まさお
まさおは、急いで水槽に網をかぶせると勝手口に走り出した。

逃げたヤギが家に入った?しかし玄関をどう開けたのか。
めぇ~めぇ~の大合唱に焦りつつドアノブを回した。


眼の前にはもこもこの毛玉がわらわらと家を占めていた。
「やぁやぁ、お疲れじゃなぁ」

近くにいたヤギ…ではなく羊がまさおに声をかける。

びっくりしてそちらを見ると、その羊の奥では敷かれた布団に一匹の別の羊が休んでいる。
なんとも気持ちよさそうな顔だ。思わず和むまさおだが、

「いやいや、お前ら誰じゃ」

羊に誰と聞くのもおかしい話だが思わず声が出た。

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