その瞳に私を写して
今一番出会いたくない人
「あ~ いい天気~。」

日中、外を歩くなんて麻奈は、久しぶりだった。

休みの日は、たまった洗濯物。

ちらかった部屋をなんとかしなきゃいけないから。

そんな事を、思っていた時だ。


遠くから、自分を呼ぶ声がした。

「麻奈さあ~ん。」


おかしい、

このNYで 麻奈”さん”って……

だっ、誰!!


麻奈が声が聞こえた方に目を向けると、で、でかい!、でかい男の人が、ううん、背の高い男性が、ものすごい勢いで走ってくる!!

「いや~こんなところで麻奈さんに会えるなんて、思ってもいなかったな~~」

息を切らしたこの人に、麻奈は見覚えがあった。


「あれっ?俺の事忘れちゃいました?」

そう、この人は……

「やだなぁ~、何回も会ってるじゃないですか~。中谷先輩と一緒に!!」

ま……正也の後輩だ!


「坂下勇平です。」

そう言って笑った笑顔は、太陽のように眩しい。
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