その瞳に私を写して
い、嫌だ!

そんなの絶対嫌だ!!


麻奈は思い切って、後ろを振り返った。

突然振り返った麻奈に、飛び上がる程驚いた男は急に、アタフタし始めた。

それを見た麻奈は、さっきまでの恐怖は どこに行ったのかその男相手に強気に出てしまった。


「何か用ですか?」

「えっ……いや……」

「ここで何やってんの?坂下君。」

「あっあれ~麻奈さん!ぐっ偶然?」


麻奈の後ろをつけていたのは、さっきまで話をしていた勇平だった。

「ついてこないでって言ったでしょ。」

麻奈の言葉に、勇平は落ち込む。

「だって、せっかく会えたのに、麻奈さん冷たいんだもん。」

「冷たいって……」

「普通だったらもっと久しぶり~とか、元気だった~?とか、会えた事を喜ぶでしょう?」

確かにそれは、勇平の言う通り。

「しかも、彼氏の後輩なんだからもっと温かく迎えてくれないと~。僕中谷先輩にチクっちゃおうかな。」
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