その瞳に私を写して
どうやら勇平は、麻奈が正也と別れた事を、知らないらしい。

「あ~私、正也とは別れたから。」

「へっ……」


そう言って勇平は、キョトンとしている。

だが勇平は、信じられない言葉を発した。

「……そういえば俺、別れた事、聞いてたかも。」

麻奈は、目を丸くした。


「なんで知ってるのよ!」

「確か、中谷先輩からのメールで……」

そう言って勇平は携帯を出して、操作し始めた。

「あれ?確かここに……あれ?」

「何?どうしたの?」

「……なくなっちゃった。」

「あ~~~もう~~~!!」

世の中の女性はこういう年下男子を、本当に可愛いと思うんだろうか。

麻奈には 分からない世界だ。


「そういえば……」

「今度は何?」

「ここ……どこ?」

そう言って勇平は、辺りをキョロキョロと、見回し始めた。

益々、信じられなくなる麻奈。


「仕方ないな。」

麻奈は、息を吐いた。
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