その瞳に私を写して
忘れられない
次の日。

麻奈は早く起きて、朝食を作った。


勇平が来てからは、彼が毎日作っていた。

そのおかげで、麻奈は仕事を頑張れた。

だから、勇平にも”頑張れ”の意味を込めて。


麻奈が調度、テーブルにパンとコーヒーを置いた時、勇平の部屋のドアが、勢いよく開いた。

「ごめん、麻奈さん。寝坊しちゃって!って?」

「おはよう、勇平君。朝食は私が作ったから、早く顔洗ってらっしゃいよ。」

「これ……麻奈さんが作ったの?」

勇平は、寝ぐせのついた髪で、やってきた。

「そうよ。それにハムエッグも作ったの。勇平君好きでしょ!」

「いっ?ハムエッグ?」

「……違うの?」

麻奈は、勇平と顔を合わせた。


「ハムエッグは、麻奈さんが好きだから作ってたんだよ。」

「えっ!!」

「好きだって言ってた!」


言ったような……言わないような……

麻奈が思い出していると、目の前にいる勇平は、それを見て笑っていた。
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