その瞳に私を写して
「What's?」

「好きだって言ってくれる人を、大切にしたいのに、 昔付き合った人も忘れられない。ずるいよね。」

キャシーは、麻奈の向かい側にある椅子に座った。


「Is it about Masaya that old person says?」

「Yes.」

キャシーは続けた。

私の為に日本語で。


「MasayaとMana、5年間、一緒にいた。5年は長い。忘れられない、当たり前と思う。」

こういう時 改めてキャシーの存在を、大切に感じる。

いつも英語で話しかけてくるくせに、励ましてくれる時は、日本語で話してくれる。


なぜ、正也に会いたいのか。

忘れられないのか、麻奈は悩んだ。


正也と恋人の関係になりたいのか、けどそれは違うと言える。

麻奈が今、付き合いたいと思っているのは、間違いなく勇平だ。
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