その瞳に私を写して
「それは……」

「正也が勇平君を、私に仕向けたんでしょ。」

「違うよ。中谷先輩と、俺らが出会ったのは関係ないって。」


どんな言葉を言われても、どうして正也が知りえない情報を知っているのか。

その答えだけが欲しい。

麻奈はこの二人が、その答えを、わざと隠しているような気がしてならなかった。


「中谷先輩が、麻奈さんに何を言ったかは分からないけど、麻奈さんが気にすることないよ。」

「じゃあ教えてよ。どうして正也が、私たちの事知ってるのか。」

勇平はここまでこだわる麻奈に、嫌気がさしたようだ。


「何、じゃあ”運命”だったとか言ってもらいたい？」

麻奈は、顔をしかめた。

「女の人って、そういう言葉、好きだよね。」

「何、その言い方。」

「別にどんな出会い方だっていいでしょう。大切なのはその後。二人の気持ちと、二人でどんな風に過ごすかでしょ。」

確かに、勇平の言う通りだ。
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