その瞳に私を写して
「今日は、ホテルでも探しますよ。」

「そうか、じゃあ俺のところに来るか?」

正也は、勇平の顔を覗きこんだ。


「いや、いいですよ。迷惑かけられないですし。」

「いいじゃねえか、後輩よ~。」

「先輩、NYに部屋借りてるんですか?」

「まあな。」

勇平は、正也の事を少しだけ見直した。


「じゃあ、お願いします。」

「おうよ!」

勇平は、正也と一緒に立ち上がると、その後をついて行った。


「ここだ。」

しばらくして、正也が指を指した方向。

それは……


「先輩、ここホテルじゃないですか。」

「まあまあ、NYに来た時は、いつもここに泊まってんだ。俺の部屋みたいなもんよ。ここの8階。」

正也について来た事を後悔しながら、勇平はエレベーターの乗り、降りた8階は、一流ホテルを思わせるような立派な廊下だった。

「ここ、ここ。」

入った部屋も、ものすごく広い。

しかも奥の部屋にあるベッドは、シングルではなく、ダブルベッドだ。
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