その瞳に私を写して
正也の事で、涙を浮かべる麻奈と、それに気づかない振りをして遊ぶ正也がいた。

それに気づいた時に、とうとう勇平は言ってしまった。


「先輩に、麻奈さんは幸せにできない。」

正也は、ヘラヘラと笑っていた。

「じゃあお前には、麻奈を、幸せにできるのか?」


その直後だった。

麻奈がNYに転勤になったのは……

麻奈がNYに行った後も、二人の関係が続いていたことは、勇平は知っていた


そんな時、正也に一緒に飲みに誘われた。

「お前、まだ麻奈の事好きか?」

正也は酔っていたし、冗談でからかってるだけだと思った勇平は返事をしなかった。


そしてその後、同じ写真家志望の友人から聞いた。

正也と麻奈が別れたと。

それを聞いた勇平は、何も考えずにNY行きの飛行機に乗り、麻奈と出会う為に、意味もなく毎日外を歩いてたんだ。


麻奈に、出会う為だけに。
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