その瞳に私を写して
正也はしばらく無視していたが、今気づいたかのように、麻奈に近づいてきた。

「あっ、な~んだ。麻奈じゃないか~。」

その上調子よく、麻奈の向かいの席に勝手に座る。


「元気だったか?」

「おかげさまで。」

「最近、変わった事ないか。」

「変わった事って?」

「勇平が、家を出てったとか。」

麻奈は、やっぱりかと言う表情。


「おいおい、大丈夫か?」

「どうして、正也がその事知ってるの?」

「どうしてって、勇平から聞いたんだよ。」

正也は逆に、俺は何も悪くないと言う顔。


「勇平君に会ったの?」

「ああ。」

「勇平君、今どこにいるの?」

「俺んとこにいるよ。」

麻奈は、とりあえず一安心した。


「正也、NYに住んでるの?」

「住んでるよ。」

なーんだと、麻奈はカフェオレを、一口飲む。


「ホテル住まいだけど。」

麻奈はカフェオレを、口から吐きそうになった。
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