その瞳に私を写して
てっきり、”俺の方が幸せにする自信がある!!”、とでも、ほざくと思っていたのに。


「でも、もし麻奈さんが俺を選んでくれたら、その時は今のあなたより、幸せにできる。」

生意気なくそ坊主。

その時はそれで終わったが、勇平のセリフが頭から離れない。


勇平には渡さない。

いつの間にか、正也は意地しかなかった。

その事に気づいてから、麻奈は自分の事まだ好きなのか、正也は猜疑心に襲われた。


こんな自分でも、まだ一緒にいたいと言ってくれるのか。

結果は、NOだった。

別れを切り出したのは、自分の方だったのに、相手に振られたのはこの自分だった。


麻奈が悪いんじゃない。

勇平が悪いわけじゃない。

正也は自分の弱さに、負けてしまったんだ。


「ばかね。」

麻奈は、涙が後から後からこぼれてきた。

正也と別れてから、麻奈は3ヶ月も落ち込んだ。

正也からの電話を、ずっと待っていた。


でも正也は、自分を嫌いで別れたんじゃない。

あんなに悩んだ答えは、今になって、はっきりと言葉になった。
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