お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。

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♪♩〜♫♩♪〜♬♪♫


穏やかなクラシックが響くフロア。

シャンデリアの下で執事と共に舞う、美しい令嬢たち。

その脇のテーブルにはティーセットが準備されており、鑑賞の時間も休憩もしっかり取れるようだ。


(メルさんは、どこにいるのかしら…?)


会場には、舞踏会に参加する令嬢の他に、王子に招待されたゲストや街の観客も多く詰め掛けているらしい。

アレンも、態度には出さないがどこか落ち着かないようだ。

すると、彼が険しい顔で呟いた。


「変ですね。そろそろ会場入りしていてもおかしくないのに…」


「メルさんのこと?あれだけの美人なら、すぐ目にとまるんじゃない?」


「違いますよ、お嬢様。私が探しているのはシェリンダ様です。」


アレンは、今夜のライバルになるであろうお嬢様を気にかけていたらしい。


「あの方の性格上、ヴィクトル王子に気に入られているサーシャ様を目の敵にしているはずです。何も仕掛けずにいるなんて、考えにくいのですが…」


ーーと。

アレンが低く呟いた、その時だった。

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