お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。
第3章*さぁ、真の黒幕に反撃開始と参りましょう。
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「わぁ!このスコーン、美味しい!」
「こら。一度ケーク・サレに手を出したら、下には戻らない。没収。」
「そっ、そんなあ!」
優雅なアフタヌーンティー。
…とは到底呼べないマナー講座。
城での舞踏会を終えて一週間が経ち、戴冠式まで折り返し地点となった今日。
レッスン用にと、燕尾服を着たメルさんが、私の隣で檄を飛ばす。
「ニナ。カトラリーの作法は基本だよ。落ちたフォークは拾わない。…はい、減点。ナイフを持ったままナプキンで口を拭かないで。タブーだから。」
なんとか彼に認められたらしい私は、ここ一週間、ほぼ付きっきりでマナー講座を受けているが、蓋を開ければダメ出しの嵐。
サポートをするアレンも、度々立ち振る舞いの指導を受けているようだ。
(全国のお嬢様って、こんなことまで勉強してるの…?!ご苦労様だわ…)
「はい。コース料理の復習。アミューズの後に出てくるのは?」
「え、ええっと…、パン!」
「ぶー。オードブルだよ。前菜をすっ飛ばさないで、お馬鹿さん。」