伝えられぬまま

バイクを走らせ少しして


「ごめん笑さっきからコツコツ頭当たってるよね笑」

「あぁ、平気平気!笑」

振動で私の被ってるヘルメットと
篤輝くんのヘルメットがコツコツ
当たっていて私はそんなことでも
頬が緩んじゃう


「寒いだろうし手をポケットに入れていいよ」


「いいの?」


「いーよ、はい」

そう言ってポケットを邪魔してるカバンを
少しずらしてくれる。


ねぇ、ドキドキしてるのは私だけ?
篤輝くんはドキドキしてない?
好きなのに…好きだと言えない…


1歩踏み出す勇気が私にはない


「ありがとう!!」


「全然」

ポケットに手を入れることで
さっきよりも自然と密着してしまう


さっきまでは横腹の服を掴むだけだったから
抱き着いてるみたいだと意識してしまう。
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