潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
私が一体何をした!?
ハピネス・マザーズフード株式会社。
私はそこの営業部で受注に関する事務を担当している。
百瀬香純、二十七歳。
このオフィスに入って五年目の地味な女子で、毎日黙々と頑張ってただけなのに……
「主任」
いつの間にかこんな呼び方をされるようになってしまい、実は少し窮屈さを感じている今日この頃。
「取引先から発注です」
しかも大量の…とパソコンを指差す新人社員に軽く溜息を吐き、カタン…と席を立ち上がった。
「…ああ、OCFさんね」
新人のデスクに近付き、パッと画面を見ただけで察しが付く。
発注された商品名を見る限り、そろそろまたフェアの時期が始まるんだ。
「心配しなくてもいつもの事よ。この会社は時々こんな風に大量の発注が上がってくるの」
私が請け負うわ、と新人に言うとホッとしている。
言っちゃなんだけど、私が新人の時は逆に「やらせて下さい」と頼んだものよ。
(根が真面目だから)
自分で自分のことをそう思いつつ上座に近い席に座った。
私の近くでは老眼鏡をかけた課長が、パソコン画面とにらめっこしながら何やら真剣にマウスを操作している。
私はそこの営業部で受注に関する事務を担当している。
百瀬香純、二十七歳。
このオフィスに入って五年目の地味な女子で、毎日黙々と頑張ってただけなのに……
「主任」
いつの間にかこんな呼び方をされるようになってしまい、実は少し窮屈さを感じている今日この頃。
「取引先から発注です」
しかも大量の…とパソコンを指差す新人社員に軽く溜息を吐き、カタン…と席を立ち上がった。
「…ああ、OCFさんね」
新人のデスクに近付き、パッと画面を見ただけで察しが付く。
発注された商品名を見る限り、そろそろまたフェアの時期が始まるんだ。
「心配しなくてもいつもの事よ。この会社は時々こんな風に大量の発注が上がってくるの」
私が請け負うわ、と新人に言うとホッとしている。
言っちゃなんだけど、私が新人の時は逆に「やらせて下さい」と頼んだものよ。
(根が真面目だから)
自分で自分のことをそう思いつつ上座に近い席に座った。
私の近くでは老眼鏡をかけた課長が、パソコン画面とにらめっこしながら何やら真剣にマウスを操作している。
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