潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「俺…、好きな人が別に出来たんだ」

「は?」

「その子のこと、大切に思えてきてしまって。香純よりもそっちと付き合いたいって思いが膨らんでしまって。悪い。もう少し早く、言い出せば良かったんだけど……」


ぐっと唇を噛み締め、文句なら何でも聞くから…という雰囲気でいる智司。
私はそんな相手を唖然と見つめ、どういうこと?と思いながら、まだ信じきれずに智司に訊ねた。


「その人ともう…付き合ってるの?」


私とも付き合いを続けているのに?と心の中で呟きながら問う。
智司は無言のまま頭を縦に振り、「ホワイトデーの頃から」と驚くべき事実を明かした。


「俺がインフルで寝込んだことがあっただろ。その時、その子がお見舞いに来てくれたんだ」

「え…」

「食事の心配をしてくれたみたいで、お粥…作りに来てくれた」

「えっ、でも、あの時…」


確か智司が私に移したらいけないから来るな…と言ったんだよね。
私だって智司が心配で、食べれてるのかな…と色々気にしていたのに。


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