潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
重すぎる現実
十二時になり、彼は席を立ち上がった。
そのまま課長のデスクに行き、申し訳ありません…と深々と頭を下げ、「社用がありますのでお先に失礼します」と断っている。
「ああ、いいよ。お疲れ様」
メガネの奥の瞳を彼に向けた課長は、大変だね…とぼそっと囁き。
「君のような上役でも、研修先ではペコペコしないといけないから難儀だな」
気にせず忙しいようなら明日も出社はしなくていいですよ…と丁寧語で言う声を聞き、私は驚きと同時に耳を疑って振り返った。
(課長…今のセルフ…)
まさか、彼が何の役職に就いてるかを知ってるの!?と愕然としながら目線を走らせると、背の高い彼が少し動揺して、小声で「大丈夫です」と答えるのが聞こえた。
そして、目線をわざとこっちに向けないまま二課を出ようとするのを見て、私は居た堪れない気分がして慌てて自分のデスク上を片付けた。
彼を追い、就いてる役職名を聞かなきゃ。
そうしておかないといけない様な気分にさせられ、急いで彼の出て行った後を追う。
そのまま課長のデスクに行き、申し訳ありません…と深々と頭を下げ、「社用がありますのでお先に失礼します」と断っている。
「ああ、いいよ。お疲れ様」
メガネの奥の瞳を彼に向けた課長は、大変だね…とぼそっと囁き。
「君のような上役でも、研修先ではペコペコしないといけないから難儀だな」
気にせず忙しいようなら明日も出社はしなくていいですよ…と丁寧語で言う声を聞き、私は驚きと同時に耳を疑って振り返った。
(課長…今のセルフ…)
まさか、彼が何の役職に就いてるかを知ってるの!?と愕然としながら目線を走らせると、背の高い彼が少し動揺して、小声で「大丈夫です」と答えるのが聞こえた。
そして、目線をわざとこっちに向けないまま二課を出ようとするのを見て、私は居た堪れない気分がして慌てて自分のデスク上を片付けた。
彼を追い、就いてる役職名を聞かなきゃ。
そうしておかないといけない様な気分にさせられ、急いで彼の出て行った後を追う。