潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
その社員は事故後の検証で、仕事の忙しさから睡眠不足が重なっていた…と言い訳したとか。
それで、就業時間とか残業とかを調べる為に、労働監督局が動き出すかも…と話していた__。


「あーいうのに目を付けられると厄介だからな。下手すると全社員の労働時間とかにもメスが入るし、上役としては一番面倒くさいところだよ」


大変だろう…と言いながらも、まあそれが役目でもあるし…と笑ってたんだ。
私は彼が朝早くから仕事をしていた理由も分かり、返事もできずにその場を離れて二課へ戻った。



ボンヤリしたまま思い返して彼のことを考えた。


彼はまだその処理に追われてるんだろうか。
それとも別の仕事を抱えていて、そっちに集中している最中だろうか。
少しは休憩出来てるんだろうか。
朝からずっと働き詰めて、体は大丈夫だろうか……。


気にはなっても文字すら送る気にならず部屋へ帰った。
ただいま…と小さな声を漏らしてドアを閉め、部屋へ入ると中を見回して呆然とした。


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