潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
目線を上げると彼もこっちを見ていた。
キュンとしながらこっそり頷き合い、お互い仕事へと取り掛かる。

今みたいな胸の竦みを思うと、昨夜決めた気持ちすらも何だか取り消したい様な気分がしてくる。


(…だけど、もう決めたから)


ブレないんだ…と自分に言い聞かせて仕事に入る。
昨日のようにミスをしてはいけないと集中して、午前の仕事をやり終えた。



昼食休憩もそこそこに二課へ戻った私は、午前の仕事の続きを再開。

生産の終わった商品をパソコンで確認し、順次出荷の手続きを踏む。
それに間違いが無いかをもう一度チェックし直し、午後の出荷の確認をしているところへ彼女が走ってやってきた。


「主任!」と呼んだ彼女は、ハアハア…と息を弾ませながら私のデスクへとやって来る。
それに驚いた私は(何事?)と目を見張るしかなく、キョトンとしたまま新人社員の彼女を見つめた。



「主任は、知ってましたか!?越智さんのこと!」


いきなりそう言った彼女は、社食で山下部長と会って…と言い始める。
その言葉でピンときた私は椅子から立ちがると彼女の手を引いて、部署の隣にある給湯室へと連れて行った。


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