潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「ごめん。待たせた」
オーダーもせずに着席する彼と対面し、ううん…と首を横に振る。
彼はきっと今夜もあの件について奮闘をしていたに違いないと思うと、大変だなと労う気持ちと仕様がないよねと諦めに近い気持ちとが入り混ざり合った……。
(だからって、私があれこれ心配して訊ねるのも変だし)
誰からそれを聞いた?と言われるのもやっぱり言い難いものがある。
それに、いつ何処で自分が副社長だと知った?と問われても困るし、山下部長と顔見知りになった経緯も訊きたいが、それを訊いてもいいものかどうか、迷いも生じる。
素性を知るとやっぱり言葉って出し難いな、と目線を伏せつつ思ってしまい、変な沈黙が流れた。
「香純…?」
名前を呼ばれドキッとしながら目線を上向きに変える。
視界に彼を入れると優しく微笑まれ、「疲れてる?」と逆に訊ねられてしまった。
「いえ…別に」
疲れてないと言えば嘘になるけど、それよりも色んな感情が渦巻いてて、妙な気疲れを感じてる。
「…あ、そうだ。これ」
オーダーもせずに着席する彼と対面し、ううん…と首を横に振る。
彼はきっと今夜もあの件について奮闘をしていたに違いないと思うと、大変だなと労う気持ちと仕様がないよねと諦めに近い気持ちとが入り混ざり合った……。
(だからって、私があれこれ心配して訊ねるのも変だし)
誰からそれを聞いた?と言われるのもやっぱり言い難いものがある。
それに、いつ何処で自分が副社長だと知った?と問われても困るし、山下部長と顔見知りになった経緯も訊きたいが、それを訊いてもいいものかどうか、迷いも生じる。
素性を知るとやっぱり言葉って出し難いな、と目線を伏せつつ思ってしまい、変な沈黙が流れた。
「香純…?」
名前を呼ばれドキッとしながら目線を上向きに変える。
視界に彼を入れると優しく微笑まれ、「疲れてる?」と逆に訊ねられてしまった。
「いえ…別に」
疲れてないと言えば嘘になるけど、それよりも色んな感情が渦巻いてて、妙な気疲れを感じてる。
「…あ、そうだ。これ」