潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
コートありがとう…と膝の上に折り畳んでおいたクリーニング袋を見せ、後で渡すつもりでまた膝の上に乗せ返る。
これを借してもらった日がやけに遠いような気もしてきて、あの頃はまだ、今よりも気楽だったな…と思い返した。
「お腹空いたな」
呟く彼の声にハッとして顔を見ると、彼はテーブルの上に肘を付き、顎を掌に乗せた格好でメニュー看板を見遣っていた。
「ついでに此処で何か食べようか」
今日は格式の高い場所で食べる気配はなさそうで、それならば…と意を決して、彼の名前を呼んだ。
「あの…尚行さん」
注がれる目線に胸を弾ませ、良ければ…と声を押し出すように発する。
「これから私の部屋で一緒に食事にしませんか?大した物は作れないけど、その方がゆっくり出来るし」
部屋へ行ったからと言って、彼がゆっくり出来る確証はない。昨夜の状態を思い出すと胸も詰まるし、出来れば誘いたくないと思うのが本当だ。
だけど、昨夜から決めていた事だし…と頭の中で思い直し、ね?と彼に向いて微笑みかけた。
これを借してもらった日がやけに遠いような気もしてきて、あの頃はまだ、今よりも気楽だったな…と思い返した。
「お腹空いたな」
呟く彼の声にハッとして顔を見ると、彼はテーブルの上に肘を付き、顎を掌に乗せた格好でメニュー看板を見遣っていた。
「ついでに此処で何か食べようか」
今日は格式の高い場所で食べる気配はなさそうで、それならば…と意を決して、彼の名前を呼んだ。
「あの…尚行さん」
注がれる目線に胸を弾ませ、良ければ…と声を押し出すように発する。
「これから私の部屋で一緒に食事にしませんか?大した物は作れないけど、その方がゆっくり出来るし」
部屋へ行ったからと言って、彼がゆっくり出来る確証はない。昨夜の状態を思い出すと胸も詰まるし、出来れば誘いたくないと思うのが本当だ。
だけど、昨夜から決めていた事だし…と頭の中で思い直し、ね?と彼に向いて微笑みかけた。